(移植を受けられた方へ)
Transplant surgery
私は外科医としての大半を、腎移植専門として勤務してきました。腎移植は今や特殊な医療ではなく、多くの方が腎代替療法の一つとして選択できるものとなっています。腎移植において手術はスタートラインです。移植腎を可能な限り長持ちさせ、健やかな生活を維持するためにはその後の管理が非常に大切で、そのためには定期的な通院が欠かせません。これまでは移植を受けた施設へ通院することが当たり前でしたが、患者さんが増え続けることによる診察待ち時間の長さや、十分なコミュニケーションが取れなくなるなどの弊害も生じていました。それを解消するため、全国でもまだ珍しい腎移植のフォローアップを柱としたクリニックの開設を決意しました。小規模なクリニックならではの、小回りの効いたきめ細かい診療を行ってまいります。皆様の気軽な相談相手になれれば幸いです。
豊富な経験を元に、科学的根拠に基づいた正しい腎移植後の管理を行います。主なポイントは以下の通りです。
腎臓を提供後も、ほとんどのドナーの方は特に症状なく過ごされていることと思います。しかし残った大切な腎臓を守っていくため、レシピエントの方と同様に適切な健康管理を行い安心して過ごしていただきたいと思っています。当クリニックではドナーの方の定期検診も行っています。何も症状がない方であっても、少なくとも年一回は検査を受けることをお勧めします。また、介入が必要な病気がある場合、その治療も併せて行うことが可能です。
一般のクリニックと異なり、院内で基幹病院とほぼ同等レベルの血液・尿検査が可能です。免疫抑制剤の血中濃度を含む、必要なほとんどの検査結果が1時間以内に判明するため、遠方から通院される患者さんも安心してお越しいただけます。
いわゆるレントゲン撮影を行う検査装置です。胸部、腹部だけでなく四肢などの骨折診断も行うことができます。
安全で痛みのない超音波検査で、頸部や腹部の臓器を検査することができます。移植した腎臓の詳細な評価はもちろん、様々な病気の早期発見が可能です。
移植後の免疫抑制剤として内服するステロイド剤は骨粗鬆症の原因となることが知られています。腎移植後の適切な骨密度管理は、将来的な骨折の予防に欠かせません。定期的に骨密度を測定することで、適切な治療介入が可能となります。当クリニックでは骨粗鬆症診療ガイドラインで最も正確な評価ができると推奨されている、腰椎と大腿骨のDXA法での測定が可能な装置を導入しています。
全国でも有数の腎移植施設である九州大学病院、福岡赤十字病院に加え、2016年から九大病院のサテライト施設として多くの腎移植患者さんの診療をおこなっている原三信病院と、緊密に連携しています。院長はいずれの病院でも勤務経験があり、特殊な検査や入院治療が必要な場合は速やかに紹介して対応してもらうことが可能です。
院長
はからずも腎臓を悪くしてしまった方への素晴らしい選択肢である腎移植の普及に貢献するため、これまでは各地の基幹病院で腎移植手術やその後の外来診療、地域医療機関との連携に精進してきました。今後は自身でクリニックを構えるに当たり、責任を持ってフォローアップを続けられることを心から楽しみにしています。また今までとは異なった角度から、移植医療の発展に寄与できるよう、引き続き努めてまいります。
2003年
九州大学医学部卒業
2003年
麻生飯塚病院初期研修医
2005年
佐賀大学一般・消化器外科
2006年
下関市立中央病院 外科
2007年
国立がんセンター中央病院 外科レジデント
2010年
九州大学臨床・腫瘍外科 膵・腎移植グループ
2014年
福岡赤十字病院 外科・移植外科
2017年
宮崎県立宮崎病院 外科・移植外科
2022年
福岡赤十字病院 外科・移植外科
原三信病院移植外科外来(非常勤)
副院長
糖尿病を含む内科の治療と腎臓には密接な関係があります。内科医として大切にしてきたことはみなさんの臓器の「今ある力をできる限り長く残すために大切にすること」です。腎移植後の方の大切な腎臓も一緒に見守って行けたら嬉しいです。
2007年
佐賀大学医学部医学科卒業
2007年
東京逓信病院初期研修医
2009年
東京逓信病院内科後期研修医
2013年
佐賀大学肝臓・糖尿病・内分泌内科
2018年
宮崎県立宮崎病院 糖尿病内分泌内科
2019年
医療法人社団紘和会平和台病院(糖尿病専門病院)
2022年
原三信病院内科、福岡赤十字病院健診科、医療法人鶴田内科等勤務